私だけのスーパーマン





私はバーのボックス席にいた。

泉さんとここまで一緒に来たのだ。


その道中、泉さんは何度も繰り返した。



『もし、何かされそうになったら必ず僕に連絡してください。

すぐに駆けつけますから』

と。



なんか私の求めてたスーパマンみたい。

なんて思いながら泉さんの言葉を聞いていた。



いつものようにロックを呑む私。

これから真剣な話をするというのにお酒を呑むのはヘンかもしれない。


でも少し酔っ払ってないと怖くて逃げ出してしまいそうだった。



また、ぶたれることが怖い。


また、奥寺さんが怒るのが怖い。


違う。そうじゃない。

その怖さではなく、奥寺さんと別れるということが怖くて逃げ出しそうなんだ。



私は臆病者。

きっと泉さんが来なければ今日もまた、奥寺さんから逃げ出していたかもしれない。



『こんばんは~』











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