私だけのスーパーマン






『大丈夫ですか?すみれさん』

動揺が顔に出ていたのか泉さんは心配そうな顔で私を見ていた。




「あ、はい。

なんか…今日、お客さん少なくないですか?」


奥寺さんの話にはまだ触れられてほしくなくて自分から話題をふる。



『そうですね。

まあ…たまにはありますよ』


今日のお客さんはいつもに比べるとかなり少ない。


いつもなら埋まるカウンターも今日は2、3人しかいなくて。

ボックス席も空いている。



『でも今日は助かりました。少なくて。

僕がすみれさんと話してても中断しなくて済むじゃないですか。


タツが接客してくれるんで。』


横目でマスターを見た泉さんはクスッと笑う。



「あの、前々から疑問なんですけど…」

泉さんは顔をあげる。



「一人称はどうやって使い分けてるんですか?」


こんなときになんて質問をしているんだ、自分でもそう思う。

でも気になったんだから仕方がない。









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