私だけのスーパーマン
「あ…今、バカにしたでしょ?
まあ別にいいよ。
ムキになってるのは洋だけだしね。」
あ…いやいや。
綾も十分ムキになってるよね?
「そう言えば」
綾は手をポンッと打つ。
「洋ね、彼女…できた、って言ってた」
綾の突然の言葉に私は驚きすぎて鞄を落としてしまった。
「あ…このこと言ってよかったのかな?
うん…まあ、いいよね。
とりあえず、詳しいことは昼に聞くといいよ。
良かったね、すみれ。
あんなウザイやつに言い寄られなくてすむよ」
綾はニコッと笑う。
………なんでだろっ
なんか…胸が痛い。
洋くんに彼女ができた、っていう事実が私を苦しめる。
なんなの?このキモチ。
「好き」
なんて感情じゃない。
でもなんか…寂しいんだ。
って私、すごく勝手な女。
本当は喜ばなくちゃいけないことなのに。