私だけのスーパーマン
『なんだ…知ってたんですか』
洋くんは微笑む。
『アレですか?
姉ちゃんから聞いちゃいました?』
コクンと頷く。
『すみれさんは心配しなくても大丈夫です。
ちゃんと、彼女には言ってきました。
と、いうか彼女に頼まれたんです。
逢って欲しい、って。』
そんな洋くんの顔は少し、切なげで。
でも幸せそうな表情だった。
『俺の彼女は…1コ下の今高3です。
俺の後輩でした。
昔、サッカー部だったんですがそのときマネージャーだったのが今の彼女です。
俺が引退するとき、告白されました。
でも、彼女をそういうふうには見たことなくて。
だから…断ったんです。
で、最近再会して。
そしたら…言われたんです。
まだ先輩のこと好きだ、って。』