私だけのスーパーマン
『俺は好きな人がいる、ってちゃんと言ったんです。
でも、彼女はそれでもいいって言ってくれて。
正直、ちょっと揺れました。
……いや、かなり揺れました。
性格はかなりいいです。
俺にもったいないくらい、いい子で。
そのときはそれで別れました。』
洋くんはアイスコーヒーを一口含んだ。
『で、また再会です。
すみれさんが大学を休み始めたくらいのときです。
そしたら彼女、言ったんです。
今は好きじゃないかもしれない。
だから私、先輩が私のこと好きになってくれるように努力します。
だから…付き合ってください。
って。
俺、思わず頷いちゃいました。
正直、悪いことしてたって思ってます。
でも俺は分かってた。
自分の恋が一生実らないこと。』
洋くんはチラッと私の顔を見た。
そうだったんだ。
洋くん、感じてたんだね。