私だけのスーパーマン
「おっはよー!すみれっ!!」
次の日
いつもの場所で綾に逢う。
「おはよ」
それだけ返すと先に歩く私。
綾…きっと、昨日あのままお持ち帰りされたんだ。
うん、絶対そう。
根拠なんてないけどオーラがピンク色に染まってる。
綾は…貴大くんに彼女がいること、ちゃんと分かってるのだろうか。
「すみれちゃん。聞いたよ?洋から」
私の隣に並んだ綾がそんなことを言う。
聞いたって告白のこと…だよね?
「洋、バカだから突き放されると余計…燃えちゃうの」
綾のこの言葉が終わると同時に
『すみれさん!』
と、私を呼ぶ声。
綾はニヤニヤと笑ってて。
振り向くと洋くんの姿。
もしかして…冷たくしたの、失敗?
『分かりました。
俺、彼氏は1度諦めます。
その代わり…友だちになってください!!』
『彼氏は1度諦める』
と、言う言葉に引っかかりつつも
「友だちなら…」
なんて答えてる私がいて。
まあ…でも、いっか。
最終的には投げやり。
きっと、断っても無意味だろうしね。