私だけのスーパーマン
「洋…あんなんだけど根はめちゃくちゃいい奴だからさ。
ちゃんと見てやって。」
洋くんとメアドを交換して静かになった私の周りへ綾の言葉が届く。
「そう…だね。」
と、あやふやな答えを返す。
そうすると綾は腰に手をあてて言った。
「すみれさ、洋に自分なんてやめたほうがいい、
って言ったらしいじゃん?
奥寺さんとのこと、気にしてるんでしょ?」
痛いところをつかれた私は何も言い返せない。
「洋はそんなこと気にしない奴だよ
さっきも言ったけどバカだからね、洋は。」
その言葉に曖昧に頷いて席に着く。
洋くんがそんなことを気にしない子だとしても、ダメだ。
あんないい子が私の彼氏なんてもったない。
洋くんには洋くんに合った子がいる。
そして私にも私に合った人がいる。
でもそれはきっと洋くんじゃない。
だからどれだけ綾がすすめてくれても洋くんを受け入れることは何があってもないんだ。