私だけのスーパーマン





『こんにちは』


講義が終わっていつものように図書館へ行く。

そうすると泉さんがいて。



「今日も…いい天気、ですね」

私はそう言っていつもの場所に座る。



『見ましたよ、朝』


泉さんはニヤニヤ笑いながら意味深な発言。



「え?何をですか?」


そう首を傾げる私に近づく泉さん。



そして私の顔の目の前に泉さんの顔がきたとき、


『彼氏くん、いい人っぽいね』


そう、言ったのだ。

近づいた顔はすぐに離れる。


最初は何を言っているのかと思った。

だって、今日の朝奥寺さんと一緒にいなかったもん。


けど、すぐに気が付いた。



「一緒にいたのは友だちの弟ですよ?」


きっと、泉さんは洋くんのことを言ってるんだ。



『あ、そうなんだ。

でも…その子、すみれさんのこと好きだよね』


ニヤニヤと笑う泉さん。

超能力者かと思った。


だって、見かけただけなのに洋くんが私のことを好きって…


誰だってそう疑いたくもなる。






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