私だけのスーパーマン
「なんでそんなこと知ってるんですか?
ってかどこで見てたんですか?」
『まず最初の質問ね
答えは簡単だよ?
たまたま僕の耳に会話がはいってきたからだよ。
で、次の質問ね
通り過ぎた。すみれさんの横。』
「………………」
何も言えない私。
だってコメントのしようがないし。
『あ、勘違いしないでよ?
僕は盗み聴きしたワケじゃないよ?
でもさ、なんで彼氏じゃないの?
いい人そうで格好良かったと思うんだけど…』
確かに泉さんの言うとおりで。
洋くんはいい人だし、カッコイイ。
でも、私には奥寺さんがいるワケで。
ただ、このことは泉さんに言えるワケがなくて。
「洋くんは…友だち、ですから」
そうとしか言えなくて。
笑っている泉さんの目が怖かった。
だって、私の中を見透かしてるようで。
奥寺さんという存在を知っているのかと、思った。