私だけのスーパーマン




『あ!おはようっす!すみれさん!』


と、そこへ元気な声の持ち主がやって来た。



「洋、朝からうるさいわよ」


『姉ちゃんこそうるさい』


洋くんは綾を一瞬睨む。

でもすぐに笑顔を浮かべ、私の隣に並ぶ。



『今日…一緒に昼飯食いません?』

綾に聞こえないように小声で言う洋くん。



どうしよう。

ここは断るべきか、受けるべきか。


チラッと洋くんを見るとキラキラと瞳を輝かせてて。

そんな目見せられたら断れないよ…



「ん、分かった。」

私は軽く頷いてみせる。



『よっしゃー!!
ありがとうございます!

またあとでメールしますね!!』


洋くんはそう言って走ってどこかへ行ってしまった。



「何アイツ。

意味分かんないし」


綾はそんな洋くんの姿を見て、溜め息をついている。



本当に洋くんは素直だ。


悲しければ露骨に表情に表れるし、


嬉しければ満面の笑みを浮かべるし、


すごく、素直でいい子なんだ。







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