私だけのスーパーマン
急にドクンドクンと大きな音を立て始めた私の心臓。
『いや、いいんですよ、別に。
僕は別れろとは言いません。
けど…気を付けて、くださいね』
泉さんはそう言って私に背中を向けた。
なんだかすごく…悲しくなってしまった。
どうしてだろう。
どうして、泉さんには分かってしまったんだろう。
勘づかれてるとは思ってた。
けど、はっきり言われてしまうと話はまったく別で。
さっきまで泉さんが立っていた場所には一輪の花
鮮やかな紫色で小さな花
私は植物図鑑を探し、花の名を調べる。
「……ハナズオウ?」
名前はハナズオウ
私は植物図鑑をしまい、今度は花言葉の辞典を探す。
あるか分からないけど…
でも、きっとここにはある。
そう信じて隅から隅まで本棚を調べた。