私だけのスーパーマン
リンドウ
『…………すみれさん!』
あの日からどのくらい経ったんだろう。
泉さんとの関係も
洋くんとの関係も
タカとの関係も
何も、変わってない。
そしてそんな平穏な日々に終わりが告げようとしていた…
「あれ?洋くん」
人をかき分け私のところまで来る洋くん
息を切らせていてとにかくすごい焦りよう。
『さっき…俺も聞いたんっすけど…』
息が切れて言葉が途切れ途切れで分かりにくい。
「洋くん?とりあえず、落ち着こう。
で、落ち着いたら何があったか教えて?」
洋くんは首を縦に振り、近くのベンチに腰を下ろす。
何度か深呼吸を繰り返し、持っていたミネラルウォーターを1口含むと口を開く。
『姉ちゃん、知っちゃったんです。』
そこで1度、洋くんは言葉を切った。
私の心臓はドクドクと音をたて始める。
『貴大に彼女がいるってこと、知っちゃったんです…』