私だけのスーパーマン
驚いている洋くんをよそに泉さんは続ける。
『で、キミの名前は洋くん、でしょ?』
もうここまで来ると言葉が出ないらしい。
洋くんは目をパチクリさせて泉さんを見ている。
『僕の名前は荒川泉です。
よろしくね、洋くん?』
泉さんは手を差し出す。
まだ事情をよくのみ込めてない洋くんはその手を怪しげに見ながら握った。
『すみれさん、この人はいったい何者ですか?』
他のお客さんの接客に回った泉さん
その間に洋くんはこっそり私に耳打ち。
「うちの大学の司書さんだよ。
ここで働いてることは秘密だからね」
私は自分の唇に人差し指をあてた。
『でも…なんで俺の名前とか
俺が姉ちゃんの弟だってこと、知ってるんですか?』
「さぁ…なんでだろ?」
『アイツは超能力者だからだよ』