私だけのスーパーマン






【パチンッ】


バーに響く音

そして


「サイテー!!」

と、言う声。


遠ざかって行く足音



貴大くんの彼女がバーを出て行った。


貴大くんは叩かれた頬を押さえる。



綾は握った拳の上に涙を零す。



『すみません、綾さん

全部…俺がいけないんです。


許してくれなくてもいいです。

でも…できることなら、俺は綾さんと友だちとして付き合っていきたいです』



今まで冷静だった洋くんが貧乏揺すりを始めた。

その顔は


『勝手なこと言ってんじゃねぇ』

とでも言いたそうで。



今度は私が洋くんの肩に手を置いた。








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