君への距離~あなたに一番近い場所~

決着

(いったいどうしたって言うんだ?)


かん吉ラーメン店主のかん吉は、ラーメンも頼まずに険しい顔して話し込む翼を不思議そうに見つめていた。



(そんで、前のやつは誰だ?)

ラーメンを頬張りながらふざけた態度で話をきく五条。


かん吉は翼についてよく杏から話を聞いていた。



『この前、リョースケが騒いでたぞ!杏に彼氏できたって~』

『え…ああ、まあ』


『誰だよ?アツシか?あっ!シオだ!』


『違うよ―!!…いるじゃん、まだ』


『あ!!…マサキ?』

杏はため息をつく。
『…翼くん』


『あ―!!前、一回きたことあったな!男前じゃねえか!!』


『もう、やめてよ!』


『いいじゃんか!かわいい杏に彼氏ができたんだ!…でもなんか複雑~』


『パパ?』


『翼のやつ、俺に挨拶もなしか?』


『挨拶って…』


『変なことされたらすぐ呼べよ!パパがこらしめたる!!』


苦笑いの杏はこう言った。


『翼くんはめちゃめちゃいい人だよ?優しいし、すんごく頑張ってるし、朝弱いけどちゃんと練習来てくれるし!』


『あっはっは!杏、相当惚れ込んどるな~』

かん吉はガハハと豪快に笑う。
< 100 / 152 >

この作品をシェア

pagetop