君への距離~あなたに一番近い場所~
「下手に出ればふざけやがって!!」



翼の怒鳴り声で店内がしんと静まりかえった。



会計中のカップルが慌てて会計をすまし出ていった。



「冷静沈着なエース君が怒鳴ったらあかんって~…」

五条がそう言って含み笑いをする。


「てめぇ!!」


「おい!!!」
手が出かけた翼をかん吉が慌てて止めた。



「はなせよ!」

必死でかん吉をふり払おうとするが太い腕はびくともしない。



「何があったか知らねえけどな、手ぇ出しちゃ負けだ!」



「乱暴しないで~」

五条はなおもふざけている。



「乱暴したのはどっちだ!


杏ちゃんをどれだけ傷つけたか…」


「傷つけたぁ?」
五条が嘲笑う。

「案外、気持ちよかったんじゃね?」




バコッ


五条が吹っ飛ぶ。


ガタガタ、ガッターン!!


カウンター席に突っ込み、イスが激しく音をたてて倒れた。



殴ったのは…






かん吉だ。




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