君への距離~あなたに一番近い場所~
「胡羽には、


母親にも俺にも黙っていたことがあった。






…学校帰りにいつも誰かが胡羽をつけていたそうだ。


ストーカーってやつだな…



家族に心配かけねえように、怖かっただろうに一人で抱え込みやがって。





忘れもしねえ、8月15日。


胡羽はバレー部だったから、夏休みに練習に出てたんだ。
その帰り、たぶん8時くらいだろう。


胡羽はいつものように駅からの道を歩いて家に向かっていた。



ただいつもと違うことは…、

その日、胡羽が家に帰って来なかったということだ。







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