君への距離~あなたに一番近い場所~
「…おう!」


シオも二人を見て戸惑ったように言った。



杏が翼の肩からひょっこり首を出す。


「よっ!」

杏は能天気に話しかけている。




「…元気、そうやな」


「どこが!膝抜けてんのに!!」

杏がニヤニヤ笑う。




「翼、ちょっと杏借りてもええか?」




「え?今?」
翼はびっくりして言う。



「10分、いや5分でいい!」




「…やだ!」

翼は素直に言った。




「ガキ!」




二人は子どものケンカみたいににらみあった。





「話だけや!」




しぶしぶ了解した翼は杏をとりあえずシオのバイクのイスに座らせて杏の部屋に入っていった。




杏は唖然として黙ってバイクに座っていた。



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