君への距離~あなたに一番近い場所~
杏の白い肌が月明かりに浮かびあがってとても綺麗だった。



抱き合うと壊れてしまいそうなくらい、柔らかくて小さくて…





手首のアザはまだ痛々しく残っていた。




額に、唇に、首筋に、胸に…翼の唇が触れるたびに、かたかった杏の身体から緊張がゆっくりとほどけていくのが翼にはわかった。

杏は呼吸と共に甘い声が漏れて、意識が飛んでしまいそうだった。






五条に乱暴に扱われたぶん、翼のあまりの優しさに杏はびっくりしてしていた。





翼が杏の中に入ろうとしたとき、


ふと杏の脳裏にフラッシュバックしてきた映像があった。

五条が初めての杏に強引に自分のモノを突き上げたこと。鮮血が白いワンピースを染めた…



杏はとっさに腰を浮かした。


ハッとして、そんなことをした自分を戒めるようにギュッと目をつむり翼の胸に額を押し付けた。



「ごめん…平気。」





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