君への距離~あなたに一番近い場所~
杏はあの日から部屋に閉じこもっていた。


ベッドの上で布団をかぶってうずくまりながら震えていた。


ろくにものも食べていない。




眠ると悪夢を見た。




胸に太ももに唇に…体中に五条の感覚が残って消えない。




杏は吐き気と頭痛、それに体中のアザや擦り傷が動くたびに痛んだ。




あの日…





< 32 / 152 >

この作品をシェア

pagetop