君への距離~あなたに一番近い場所~
「すいませ~ん!」


突然後ろから声がして二人は振り返る。


黒ぶちメガネのおしゃれなお兄さんが立っていた。

「写真撮らしてもらってもいいかな?」

カメラを持っている。


杏も翼も怪訝そうな顔をして、お兄さんを見ている。


何しろ二人とも田舎者なので、街の人に対して警戒心があるのだ。


「怪しいものじゃないよ!僕はWAVEという雑誌のカメラマンやってる佐々木です。」



翼と杏は顔を見合わる。


(WAVEってなに?)

おしゃれ雑誌なんか買ったことない二人の顔には?が浮かぶ。



おしゃれメガネが続ける。
「おしゃれな人たちのスナップをとってるんだけど、よかったら二人を撮らしてもらえないかな?」




『ええ?』
二人は驚いてメガネを見た。





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