君への距離~あなたに一番近い場所~
「俺、バカみたいにいいやつやな…」




翼の部屋に一人きりになったシオは思わずつぶやく。




(このままなら…二人は離れたかもしれんのに)




シオは自分の中のこんな黒い考えがあることを、自分で驚いていた。




(俺も…こんなに杏のこと想ってたんやな)



テレビの上の青い写真立て、ユニフォーム姿でピースする杏と翼がいた。



(ペアルックやん…)


幸せそうな二人の笑顔、





シオは胸が苦しくなって、顔をふせた。





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