君への距離~あなたに一番近い場所~
「昨夜は杏と~…」


翼に聞こえるようにその背中になおも言葉を浴びせる。



「シオ!!」

杏がそれより遥かに大きな声で叫んだ。




みんなが杏を見る。


翼も足を止めて振り返る。



「その冗談、全然おもしろくない!」


杏はシオを睨む。


「昨日ラーメン食べ行っただけじゃん!


なんで変なこと…


最低!!」



杏は怒りながらスポーツバッグを強引に肩にかけ駆けていった。




途中、立ち止まっていた翼とすれ違ったとき一瞬目があった。



杏を心配しているような優しい目をしていた。





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