君への距離~あなたに一番近い場所~
7時、陸上部の練習が終わった。



杏はベンチにいる2人にまったく気づかないで、グランドの隅でスパイクを脱いでキティーちゃんサンダルに履き替えている。



「お疲れ!」

麻耶が声をかけた。


「…お疲れさまです」

「杏ちゃん、気合い入ってるわね~!大会、期待してる!」



「そんな…」



「応援団も見てるしね♪」



「え?」

杏は麻耶の視線を目で追う。



「あ…」


翼とシオがベンチで話している。



「平尾くんが応援したら杏ちゃん優勝、間違いなし!」



「…」

杏は逃げるようにグランドの隅にある部室に入っていった。





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