呼吸
昼休み、昨日まではみんなと机をくっつけてお弁当をひろげてたのに今日は一人で屋上にいる。
一口だけ手をつけたお弁当を置いて、フェンスに手をかけて空を見上げた。
(あたしは、あたしを生きたいだけだよ)
救いようのない世界に生きている自分がたまらなく情けない。
このままこの世界で生き続けても
苦痛に首を締め付けられていつか窒息するだろう。
遠からず近からず
いつか。
それは今日かもしれない。
「要らないだろ、あんな奴ら」
突然の声にビクッと肩を震わして後ろを振り返ると、そこには同じクラスの羽野がたっていた。
羽野は色を抜いた髪を風にサラサラなびかせて、だらしなく下げたズボンの裾をひきずりながらこちらに歩いてくると、あたしの隣にたった。
始めてまじかに見る羽野の横顔。