加茂川サンセット
「それよりさ、お前」
先程から私の胸部を凝視していた室岡が、私の手を触りながら話しかける。
「趣味悪いね、これ。コウモリ?」
室岡は次に胸元につけていた蝙蝠の首飾りに手を伸ばし、顔を近付けてくる。
かかる息が酒臭いので思わず顔をしかめた。
私は人間の世界に興味はないので派遣中はほぼ仕事しかすることがなく暇を持て余しているが、唯一の楽しみが買い物である。
買い物と言っても、買うものは蝙蝠をモチーフとしたアクセサリー類であり、身につけていると皆が皆口をそろえて「不気味だな」と言う。
どの時代でもそうなので心外である。
私自身が否定されたということなのだ。
「蝙蝠は趣味が悪いのか?」
少し皮肉を込めて言ったのだが、ほろ酔いの室岡には通じていなかった。
先程から私の胸部を凝視していた室岡が、私の手を触りながら話しかける。
「趣味悪いね、これ。コウモリ?」
室岡は次に胸元につけていた蝙蝠の首飾りに手を伸ばし、顔を近付けてくる。
かかる息が酒臭いので思わず顔をしかめた。
私は人間の世界に興味はないので派遣中はほぼ仕事しかすることがなく暇を持て余しているが、唯一の楽しみが買い物である。
買い物と言っても、買うものは蝙蝠をモチーフとしたアクセサリー類であり、身につけていると皆が皆口をそろえて「不気味だな」と言う。
どの時代でもそうなので心外である。
私自身が否定されたということなのだ。
「蝙蝠は趣味が悪いのか?」
少し皮肉を込めて言ったのだが、ほろ酔いの室岡には通じていなかった。