友達以上 恋人未満…?
「…あのね、レン」
「え…?」
「私…初めてじゃないの」
「それって…」
「うん、やっぱりお父さんが偉い人だから…小さい頃にもあったんだ。こーゆうの。だけど、小さい頃はケータイにGPSがついてたから、すぐにSPが助けてくれた」
「でも…1回だけすごくヒドいのがあったの…」
レンは私の話を黙って聞いてくれていた。
「その日に限って、ケータイを忘れてきちゃったの。そしたら、いきなり知らない車に連れ込まれて…"抵抗したら、どうなるかわかってるな"…ッて、ナイフを見せながら言われた…」
「私、怖くて…ただ頷くことしかできなかった。監禁場所は、真っ暗で…ものが何もなくて…冬だったから、すごく寒くて…私、泣いたの。お母さーん、ッて大きな声で」
私は1度呼吸をして、話を続けた。
声が震える…
「そしたら…犯人の人に、な、殴られた…」
「で、痛いからまた泣くでしょう?すると今度は蹴られて…結局、何回も暴力された」
「その時はお父さんが雇った警察が場所を見つけて、助かったんだけど…」
また涙腺がゆるんできた…
「それから、もっと防犯対策を強くしたんだけど…今、久しぶりにその事思い出しちゃって…」