BLOOD,CHAIN.
懐かしい匂いがする‥そうだ、母さんがいつも作ってくれてるコーンスープの匂いだ。


「刹那‥‥起きなよ。」


フフッ、待ってよ‥母さん。あと五分だけ‥‥‥


「早く起きないと殴るけど?」

そんな殴るなんて物騒だなぁ‥あれ?母さんって、こんな低い声してたっけ?


「3・2・1‥‥‥‥‥」


ドゴッ!!!


「いったぁ〜〜!!痛い――!ちょっ‥‥何!?」


涙目で刹那が起き上がると、見知らぬ部屋にいた。服も学校の制服ではなく、少々大きめな紳士パジャマを着ている。天井付きのキングサイズのベッドに、洋風な造りをした広い部屋。まるで高級ホテルかお城の一室のよう。そして、無表情でいるヒツギがジッと刹那を見下ろしている‥少し不機嫌なのか眉をつり上げてはいるが。


「漸くお目覚めかい、刹那。」

「あ‥えっと、おはようございます‥ヒツギさん。」
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