ＢＬＯＯＤ,ＣＨＡＩＮ．

思い出した‥自分が変な異世界に来てしまったという現実を。

此処はどこだろう‥深い森の中にいたはずなのに。


「えっと、ヒツギさん‥此処は何処なんですか？確かに‥森の中にいたはずなのに。」


「キミは何処だと思う？」


質問を質問で返された。刹那は青ざめながら、暫く考える。


「えっと、ヒツギさんの家だとか？もしくはホテル？」


「半分正解。此処はクリスタル・ルームって言ってね‥君達の世界で言うテントみたいな物かな。僕らは、このクリスタルの中にいるのさ。」


見せられたのは、ヒツギが腰に下げていた球体のクリスタル。

「ええ！？こんな野球ボールみたいな球の中にオレ達いるんですか！？」


予想通りに驚く刹那、ヒツギはクスッと笑う。


「うん。このクリスタルは空間を保存出来る力があってね‥前に使ってたホテルの部屋が保存されているんだ。でも、幻覚や立体映像なんかじゃない‥全て現実だよ。」


確かに、ベッドの感触も部屋の良い香りもリアルだ。