スカーレットの雪

…「うぅ~ん…何がいい?」
「お互いのプレゼントは内緒なんでしょ?」
「でも思い付かないよ~っ」

奏ちゃんのお姉ちゃんの行き付けのお店で、あたしのマフラーを買った所。そこであたし達は、お互いのプレゼントを選んでいた。

「奏ちゃんは決めたの?」
「ん?まだまだ」
「奏ちゃん何くれるのかなぁ」
「緋那の欲しいものあげるよ」

あたしは奏ちゃんに欲しいものなんて言ってないけど、奏ちゃんの口調は自信に満ち溢れている。だからなんだかホントにわかってる気がするんだ。

でもあたしが一番欲しいものは、モノじゃないから。

「決まんないなら、今日は下見だけにしとく?」
「奏ちゃんも買わないの?」
「明日また買いにこよ。映画見た後とか」
「そだね、そうしよっか!」

明日はクリスマスイブ。学校が終わって、そのまま奏ちゃんとデートだった。

何だか楽しみが増えたみたいで、それもいいか。

「じゃあ、今日は帰ろっか」

奏ちゃんの一言で、あたし達は暗くなった外に踏み出した。

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