ただ…逢いたくて
石の上に二人で腰掛けた。千夏は静かに語り始めた。

『千夏ね…大河のこと気になってるんだぁ…』

空を見ながら微笑む千夏。

「えっ!そーなの?」

『うん。今日のバス、本当は紗季の隣千夏だったの。だけど乗る寸前に大河に紗季と二人で話したいから席変わってって言われちゃってさ…』

そうだったんだ…。だから私と大河が話しているのに耐えられなかったんだね…。ごめんね、千夏。


『二人が仲良く話してるから頑張る気も失ってさ…紗季に八つ当たりってゆうか、気にしちゃってごめんね』

「知らなかったとはいえ、ごめんね…;でも私は大河の事なんとも思ってないし、多分隣に座ったのもたまたまだよ!きっと」

『…多分、大河は紗季が好きなんだよ…でも紗季が何とも思ってないなら安心した!』

「私を?そんなわけないよ〜。私は千夏を応援してるから」

『ありがと。がんばるね!でさ〜♪翔のことはどー思ってるわけ?』

ニヤニヤしながら聞く千夏。

「なんで翔?別に…友達としか……」

ドクン…

少し胸がなり、顔が赤くなるっていく気がした。


「しかも翔に今日睨まれたし」


バスの中の出来事を思い出すとまたテンションが落ちた。

『千夏が前の席行ったあと?』

「うん。千夏が怒ったのはお前のせーだって…」

『ごめんね…たぶん翔は千夏が大河のこと好きだって知ってるからだと思う』

「そーなの?」

『うん。大河と仲が良い翔に相談してたんだー。それに翔は大河と話してた紗季が…あ、なんでもない♪』

「…えっ?なに?気になるよ」

『そのうちわかるって♪』

「ふーん…。でも!本当に今日はごめんね。協力するから♪」

『ありがと紗季大好き〜』
「私も千夏大好き〜」

二人で仲良く手を繋ぎながらカレー作りの場所に戻った。


この時から私と千夏は親友になり始めてたよね…。なんでも言い合えて、時には喧嘩もしたけどそれが私と千夏をがっちりと結び付けた“親友”だったよね。

今でも千夏の言葉やメールには重みと感謝が伝わってたよ。
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