看護学校へ行こう
 2次会も終わり、私たちは朝6時まで寮に帰れないと言うと、男性陣は、社員宿舎の食堂に連れて行ってくれ、朝までつきあってくれた。男という者は、優しいときは徹底的に優しいものだな、と思った。その社員宿舎で私と26歳と24歳の3人になった。仕事とか、実習とか、時間つぶしにいろんな話をした。やがて朝5時半頃になり、24歳と26歳は、自分たちの部屋の電話番号のメモをくれた。こうして初めての合コンは終わった。

 朝6時に寮に戻ると、死んだように眠った。だが午後2時過ぎくらいから、二年生宛に電話がじゃんじゃんかかってくる。寮で電話がかかると言えば、男関係が多い。昨夜の合コンの後、男性陣はそれぞれお気に入りの子にアタックしてきているのだろう。いちいち全館放送がかかるたびに、耳をすませた。と、私の名前が呼ばれた。同室のかき山が、

「ちゅう、ご指名じゃん!」

とからかった。私は、

「たぶん、実家からだよ。」

と答えたが、実は内心期待で胸一杯である。高鳴る胸を押さえ、電話に出た。電話の相手は24歳だった。24歳は単刀直入に、

「あのさ、君のこと好きになったから、つきあって欲しいんだ。」

と言ってきた。男から告白されるのは、生まれて初めてだ。だがタイプじゃない上、私の本命は26歳だ。

「ごめんなさい、他に好きな人がいるの。」

とはっきり断った。断るときははっきりさせた方が良い。変に遠回しに言うと、逆に相手を振り回すだろうと、恋愛経験のない私でもそう感じた。で、向こうはあっさり引き下がり電話を切った。と同時に私は決心した。

「26歳に電話してみよう。」
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