看護学校へ行こう
しばしの沈黙。駄目なのか?と思ったら、

「俺も電話しようと思っていたんだ。つきあってください。」

と言ってきた。や、やったー。滝谷さんは、

「いつ会える?」

と聞いてきたから、

「木曜日なら実習無いから放課後会えます。」

「じゃあ、寮まで迎えに行くよ。」

そう言われて別れを告げ、電話を切った。よっしゃー!20歳を目前にして、初めての彼氏ゲーット!とたんに汚い寮の中がバラ色に輝く。そこからは笑いが止まらない。日曜なので食事は出ないから、みんな自分たちでインスタントラーメンやらうどんやら煮ている。二年生の大半が合コン参加のため実家に帰らなかったので、そろそろ起き出して食事をしようと食堂に結構な人数が集まっていた。私は食道に入るや、

「花をめしませらんららん!」

などとスキップしながら歌い、みんなの肩に手を置いたりして、

「君たち、幸せかい?」

などと浮かれていた。

「ちゅう、気でも違ったの?あ、わかった、昨日のコンパでしょ?まさかもう連絡をとったとか。」

「いやあ、ははは、つきあうことになっちゃったよー。」
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