看護学校へ行こう
「ほら、お菓子食べなよ。」
「はい、ではいただきます。」
本当は食べたくない。そんな心境じゃない。だが食べなきゃ食べないで怒られそうなので、ぽつりぽつりとかっぱえびせんなどを二つばかりつまむ。時間はすでに一時間経過。そろそろ解放してくれないかなあと思っていると、
「好きな歌手は?」
と聞いてきた。私は
「サザンオールスターズです。」
と答えた。
「じゃあ一曲歌ってもらおうか。」
きたー。むちゃくちゃ嫌だ。でも断れない。私は立ち上がって、「栞のテーマ」を歌った。声は震え、最後の方は歌詞を忘れてしまい、「ららら~」でごまかして終了した。そしてきしど、うみちゃんも頑張って歌ったが、まきよちゃんだけ頑として歌わない。
「歌は歌えないんです。」
と言う。
「じゃあ、芸でも披露してよ。」
と先輩。
「はあ、それもできないです。」
この押し問答がしばらく続く。先輩は明らかに怒り顔だ。私はまきよちゃんに、「チューリップ」でも「君が代」でもいいから、どうか歌っておくれと願うが、まきよちゃんは歌わない。彼女は寮内のしきたりに反感を持っているようだった。
「はい、ではいただきます。」
本当は食べたくない。そんな心境じゃない。だが食べなきゃ食べないで怒られそうなので、ぽつりぽつりとかっぱえびせんなどを二つばかりつまむ。時間はすでに一時間経過。そろそろ解放してくれないかなあと思っていると、
「好きな歌手は?」
と聞いてきた。私は
「サザンオールスターズです。」
と答えた。
「じゃあ一曲歌ってもらおうか。」
きたー。むちゃくちゃ嫌だ。でも断れない。私は立ち上がって、「栞のテーマ」を歌った。声は震え、最後の方は歌詞を忘れてしまい、「ららら~」でごまかして終了した。そしてきしど、うみちゃんも頑張って歌ったが、まきよちゃんだけ頑として歌わない。
「歌は歌えないんです。」
と言う。
「じゃあ、芸でも披露してよ。」
と先輩。
「はあ、それもできないです。」
この押し問答がしばらく続く。先輩は明らかに怒り顔だ。私はまきよちゃんに、「チューリップ」でも「君が代」でもいいから、どうか歌っておくれと願うが、まきよちゃんは歌わない。彼女は寮内のしきたりに反感を持っているようだった。