看護学校へ行こう

「痛いよ、滝谷さん。今日は辞めて。嫌だよ。」

私はしくしく泣き出してしまった。驚いた滝谷さんは、行為を辞めた。私はまだ泣いている。私に背を向ける滝谷さん。なんだか冷たい。私に何か言ってよ。すると滝谷さんが、

「帰ろうか。」

と言い、私を寮まで送ってくれた。

　それからは、会うたびに体を求められた。私はそれが苦痛だった。そしてことごとく失敗する。痛くて途中で、

「辞めて！」

と言ってしまうのだ。そんなことを繰り返しながら、2ヶ月がたった。ある日謝ろうと滝谷さんに電話した。滝谷さんは

「気にしなくて良いよ。」

と言ってくれたが、なにかそっけない。それから何日かして、会おうと誘ってみたが、忙しくて当分無理だと言う。どうして？エッチできなかったのが、そんなに滝谷さんのプライドを傷つけてしまったのか？その後私も意地を張って電話しなかった。そして、そのまま自然消滅してしまった。

　私の何がいけなかったんだろう。滝谷さんは、最初からエッチだけの目的でつきあったのだろうか。だって、つきあってすぐなんて、あまりにも早いし・・・どうしても痛くて最後までいかなかった。私だって頑張ったんだけど・・・。たぶん、痛みに耐えられず、最後の行為まで到達できなかったのは、心の問題だと思う。もし、心から滝谷さんを愛していたら、信頼していたら、ちゃんとエッチできてたんだと思う。だけど、私の心を無視して体ばかり求める滝谷さんに対して、私はどこかで防御線をはってしまったんだろう。

　19歳の初エッチ。男の人の心の裏側と怖さを知った、少しだけ世間の洗礼を受けた恋であった。