看護学校へ行こう
4人は部屋に入ると、さっちの同室のれいちゃんを起こした。下手に途中で目を覚ますと、びっくりして大声を出すかもしれないからと、さっちが判断したからだ。れいちゃんは寝ぼけて、ぽわんとしていて、状況が飲み込めていないようだった。とりあえず寮内に無事に入ることが出来た。

「でもさ、誰が門限破りしたか、面が割れてるんじゃない?追求されたらどうしよう。」

と私が言うと、まさちゃんが、

「大丈夫。現場を押さえられていないんだから、シカトすればいいよ。」

と言った。そして皆、そろりそろりと自分たちの部屋へ戻った。
 
 朝7時に起き、洗面所で先輩と顔を合わせる。私はびくびくしていたが、先輩は何も言ってこなかった。どうやら二年生の誰が門限破りをしたかまでは、調べていないようだ。

 それにしても今回は危ない橋を渡った。以後しばらくおとなしくしていた私たちであった。

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