看護学校へ行こう
 さて二年生となった私たち。去年とは違い、実習がコンスタントにあるので、暇ではない。だからなるべく合同練習が少ないものをすることにした。ということで「ものまね」をやることになった。これだとものまねするグループだけで集まって練習できる。クラス全員集まる必要もないし、夜中寮でもできる。ものまねといってもお笑い芸人みたいなものではなく、歌手の真似だ。だからみんな好きなものをやることになった。やる順序だけは決めておいて、音楽の編集は私が担当した。あとはぶっつけ本番だ。

 私のものまねは、アルフィーの桜井役と、デーモン小暮をすることにした。桜井は、顔の表情のものまねが出来て、いつも教室で真似してはみんなを笑わせていたので、受ける自信があった。坂崎役は髪型が似ていると言うだけでたすけ、高見沢役は、やせているからということで、かえでにお願いした。デーモン小暮は衣装を着てステージに上がるだけで受けるとにらんだ。たすけがメンバーのギタリストの役をやってくれると言った。あとは白田がマドンナ、いもたにさんと遠山さんで着物を着て「夢芝居」を踊ることになり、まやちゃんは森進一の顔真似ができるので、「おふくろさん」を歌うことになった。大体クラスの半分が出演することになった。だがその都度合わせて曲をかける音楽ミキサー役と、照明係も必要だった。ミキサー役はえもっちゃん、照明はよるちゃんにお願いした。二人とも実習も勉強もまじめにこなすので、こういう細かな作業は安心して任せられた。

 ところでみんなが使う音楽だが、誰かが持っている曲もあったが、聖飢魔Ⅱの「蝋人形の館」と梅沢富美男の「夢芝居」だけは、誰も持っていなかった。ある意味、当然と言えば当然である。それで通生の遠山さんに、レンタルしてカセットに録音してきてもらうことをお願いした。遠山さんは快く引き受けてくれたが、実際レコードを借りるとなると、かなり恥ずかしかったそうだ。
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