看護学校へ行こう

　実習が午後か、一日オールの時は、５時までに寮に戻れないが、他の週３日は５時きっかりか、ラッキーならドクターの仕事の都合上、休講となる。一年生の時は、先輩と顔を会わせる前に入浴を済ませたかったわけだが、今は今でさっさと入浴を済ませ、レポートを書く時間に費やしたい。ところでこの頃「リンプー」という画期的な商品が新発売された。要は「リンスインシャンプー」だ。これまでそんな商品は無かったので、みんなこぞって買って使い出した。だが慣れていないせいか、どこまですすげばよいかわからない。シャンプーで髪を洗うと、髪がぎしぎしするのが十分すすいだ証だったのが、すすいでも手触りがなめらかなので、よくすすげているかわからなかった。それでも寮内は一年生から三年生まで、ほとんどみんな、リンプーを一度は試していた。ちなみに「リンプー」というネーミングについて、私といもたにさんは、もっとましな名前はなかったのかと、シュールなディスカッションをしていた。いろいろ考えて見たが、結論として、

「シャンスーよりはましだ。」

ということで議論は終幕した。

　実習で怒られてばかりの私たちのもっぱらのストレス解消は、「食べること」だった。ケーキバイキングがあるとなればみんなで行き、一人で１４個食べた子もいた。小さいサイズではなく、普通の大きさのショートケーキだ。私は３個で断念した。また実習のない日でレポートに追われてないときは、寮ではもっぱら誰かの部屋に集まってはお菓子を食べた。レポートを書くときもお菓子を食べながらだから、お菓子は必須アイテムである。みんなのカラーボックスには必ずチョコパイが入っていた。この頃６個入りのが売り出されたので、私たちの間ではブームになっていた。私はチョコパイももちろん好きだが、お気に入りは「エビ満月」と「麦チョコ」だ。実習レポートを朝の５時まで書く日は、二つとも一晩でなくなっていた。それでも太らないから不思議だ。若いから代謝が良いのもあるだろうけど、実習で体力を使い、レポートで寝ないで体が消耗するから、あまり太らないのだろう。