看護学校へ行こう
少し前に何気なく「愛はかげろう」という歌を歌っていたら、しとしと雨が降ってきた。雨はすぐにやんだが、
「悲しげな歌を歌えば雨が降るんだよ、きっと。」
などと、オカルト的な願掛けをすることにした。時間は既に0時を過ぎている。6時の時点で雨が降っていたら、登山中止決定である。そこでレポートを書きながら、かえでと交互に歌を歌っていった。あくまで「悲しげな歌」でなければいけない。これはこれで探すのがなかなか大変である。「メモリーグラス」「学生街の喫茶店」「一人咲き」など、昭和のフォークソングを思い浮かべては歌っていた。しまいにレポートの内容を考える前に、何を歌うか考えはじめ、夜中の3時頃にかえでと二人で一緒に歌い出す始末であった。不思議なことに歌を休むと雨はやみ、歌い始めると雨が降るのだ。だから歌を辞めるわけにはいかなかった。
「なんとしても雨を降らせようよ。」
と二人で決意し、歌声喫茶のように二人で悲しげな歌を見つけては、細々とした声で歌っていた。歌い方も悲しげな方が良いだろうということで、感情を込めて歌っていた。いらぬところに労力を費やす二人。歌など歌わずレポートに集中すれば、少しでも早くに終わるというのに。だがレポートにばかり長時間集中するのは疲れる。思考が停止してしまうのだ。だから歌いながらレポートを書くというのも案外気分転換になっていたのかもしれない。
やがて5時になり、雨は強さを増し、本降りになってきた。だがここで気を抜くと晴れるかもしれない。
「かえで、あと一時間だよ。」
「うん、頑張ろう。」
「悲しげな歌を歌えば雨が降るんだよ、きっと。」
などと、オカルト的な願掛けをすることにした。時間は既に0時を過ぎている。6時の時点で雨が降っていたら、登山中止決定である。そこでレポートを書きながら、かえでと交互に歌を歌っていった。あくまで「悲しげな歌」でなければいけない。これはこれで探すのがなかなか大変である。「メモリーグラス」「学生街の喫茶店」「一人咲き」など、昭和のフォークソングを思い浮かべては歌っていた。しまいにレポートの内容を考える前に、何を歌うか考えはじめ、夜中の3時頃にかえでと二人で一緒に歌い出す始末であった。不思議なことに歌を休むと雨はやみ、歌い始めると雨が降るのだ。だから歌を辞めるわけにはいかなかった。
「なんとしても雨を降らせようよ。」
と二人で決意し、歌声喫茶のように二人で悲しげな歌を見つけては、細々とした声で歌っていた。歌い方も悲しげな方が良いだろうということで、感情を込めて歌っていた。いらぬところに労力を費やす二人。歌など歌わずレポートに集中すれば、少しでも早くに終わるというのに。だがレポートにばかり長時間集中するのは疲れる。思考が停止してしまうのだ。だから歌いながらレポートを書くというのも案外気分転換になっていたのかもしれない。
やがて5時になり、雨は強さを増し、本降りになってきた。だがここで気を抜くと晴れるかもしれない。
「かえで、あと一時間だよ。」
「うん、頑張ろう。」