看護学校へ行こう
 管理実習では一部屋6人の患者さんを受け持つことになっている。私の担当の部屋には小学生で、足を骨折した男の子がいた。子供というのは正直やっかいである。好かれると徹底的になついてくれるが、一度嫌われると口もきいてくれない。その子は小学4年生で、私は子供の扱いが下手で、おどおどしていたものだから、すっかりなめられてしまった。何を聞いても、

「うるせーよ、学生のくせに。」

と言われてしまう。そこでなんとか好かれようと、子供にこびへつらう私。すると子供はますます私を馬鹿にする。悪循環である。受け持ち患者さんとコミュニケーションがとれないのは致命的である。信用されていないから、症状がどうかも教えてくれない。毎日四苦八苦しながら子供をおだてて症状を聞き出す私。それで症状を申し送るのだが、夜勤ナースにはその日あったことを結構いろいろ言うようで、私が聞き出せない情報を朝申し送られる。すると真坂さんが、

「患者さんに信用されないナースなんて、最低ね。」

と言われてしまった。泣きそうな私。

 他のメンバーも苦労していたようで、皆重箱の隅をつつかれるように怒られていた。冷蔵庫から座薬を探すのに手間取っていたら、

「いつまで冷蔵庫を開けておくの!」

など、どうでもよさそうなことまで怒られた。
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