看護学校へ行こう
ということで、ビジネスホテルにて2回目のエロ映像鑑賞である。今度はちゃんと題名をチェックして、SMじゃないものを選んだ。見ている間、10人もいるのだから、きゃあきゃあ言うのかと思ったら・・・押し黙っている。みんな固唾を飲んでビデオを見ていた。一本見終わると、みんな自分たちの部屋へ戻って行った。各自ノーコメントである。いったいみんなの胸中はいかばかりだったのか・・・。

 朝になり、当然支払いとなった。小崎は嫌がりながら精算を済ませた。

「何か言われた?」

「いや、大丈夫だった。」

胸をなでおろす小崎。まあホテルの人も、

「見たんですねえ、ヒッヒッヒ、お好きですねえ。」

などとは言うまい。ということで、エロビデオを見て気分をリフレッシュさせ、みんなで試験会場へと向かった。

 国試を終え、寮に戻った私たち。最後の実習も終え、みんな荷造りし始めた。就職先も決まった。東京に行く者もいるし、苫小牧に残る者もいる。私は札幌の総合病院に就職が決まっていた。廊下には荷造りした段ボールが山積みとなっている。私は寂しかった。みんなは卒業できることに歓びを感じていて、次の就職のことで頭が一杯のように見えた。
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