看護学校へ行こう
「パンプスってなんだ?」
まやちゃんは4人兄弟の末っ子で、お父さんは70歳を越えるか越えないかのお年だ。パンプスなど無縁で、初めて聞く言葉だったのだろう。まやちゃんは説明してもああmりわかってくれないので、いらいらして、
「玄関の下駄箱の左の下に入っている黒い靴!」
と言ったそうだ。かくしてお父さんにパンプスを持ってきてもらうことで、まやちゃんの謝恩会の準備は整った。
卒業式当日。胸に花をつけてもらい、白衣で出席する。拍手で迎えられながら会場に順番に入る。この時点で感慨深いものがあった。一人ずつ名前を呼ばれ、卒業証書を受け取る。ああ、卒業証書だ。学期末試験がクラスで最下位の事もあったり、補習実習もしたけど、何とか無事、看護学校を卒業できた。あとは国試さえ合格すれば、晴れてナースの資格がもらえる。長いようであっという間だった。
みんなに卒業証書が行き渡ると、卒業生代表が答辞を読む。答辞を読むのは三年生の学期末試験と実習成績合わせて一番の子だ。それは・・・えもっちゃんである。名前を呼ばれ、えもっちゃんは私たちに背を向け、院長先生の前に立った。が、最初の言葉がなかなか出てこない。見ると・・・肩が震えている。絞り出すように話し始めた彼女の言葉は、涙声で・・・何も、何も聞こえない。彼女の言葉を聞くや、みんな堰を切ったように鳴き始めた。
まやちゃんは4人兄弟の末っ子で、お父さんは70歳を越えるか越えないかのお年だ。パンプスなど無縁で、初めて聞く言葉だったのだろう。まやちゃんは説明してもああmりわかってくれないので、いらいらして、
「玄関の下駄箱の左の下に入っている黒い靴!」
と言ったそうだ。かくしてお父さんにパンプスを持ってきてもらうことで、まやちゃんの謝恩会の準備は整った。
卒業式当日。胸に花をつけてもらい、白衣で出席する。拍手で迎えられながら会場に順番に入る。この時点で感慨深いものがあった。一人ずつ名前を呼ばれ、卒業証書を受け取る。ああ、卒業証書だ。学期末試験がクラスで最下位の事もあったり、補習実習もしたけど、何とか無事、看護学校を卒業できた。あとは国試さえ合格すれば、晴れてナースの資格がもらえる。長いようであっという間だった。
みんなに卒業証書が行き渡ると、卒業生代表が答辞を読む。答辞を読むのは三年生の学期末試験と実習成績合わせて一番の子だ。それは・・・えもっちゃんである。名前を呼ばれ、えもっちゃんは私たちに背を向け、院長先生の前に立った。が、最初の言葉がなかなか出てこない。見ると・・・肩が震えている。絞り出すように話し始めた彼女の言葉は、涙声で・・・何も、何も聞こえない。彼女の言葉を聞くや、みんな堰を切ったように鳴き始めた。