看護学校へ行こう
楽しい寮生活
 きしどとうみちゃんはおとなしい性格で、積極的に他の部屋へ行くとは言わなかったが、好奇心旺盛なまきよちゃんと私はある日、

「みんなの部屋へ遊びに行ってみよう!」

ということになった。一つだけ3人部屋があったが、そのほかはすべて4人部屋だ。一年生の部屋は7つある。ちなみに寮には新館と旧館がある。寮ができて、のちに寮生が増えてきたので、増築したのだ。私たちの部屋は新館で、まあきれいな方だった。とりあえず新館巡りをすることにした。このとき気づいたのだが、38号室は空き部屋となっている。順番からいって、最後の部屋である。

「新館なのに何故?」

と噂になっていた。のちに先輩から

「自殺者が出た。」

とか、

「幽霊が出る。」

などの話を聞かされ、私たちは本気にしていた。しかし結局のところ、それは定かではないのだ。ただ何故か古いフランス人形がおいてあって、それが不気味さをかもしだしていた。最初の頃は、とてもじゃないが、夜に好奇心で38号室に行くことなどできなかったのだが、後半慣れてきたら、そこはもっぱら愛煙家の喫煙所になってしまった。
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