看護学校へ行こう
 さて、他の部屋への訪問である。同じ新館の別の部屋をノックして、

「遊びに来たよー。」

と言いながら入ってみる。すると同じ新館なのに、部屋の作りが違った。私たちの部屋は入り口の真正面に勉強机が、だーっと一列に並んでいる。というか、ただの板を壁にくっつけただけのようなつくりだが、他の新館の部屋は入り口から入って左右に二つずつ机が備え付けられている。しかも机の上部には、作り付けの棚まである。私たちの部屋は窓に面しているから、棚はない。なんだか損した気分である。

 一つ目の部屋で10分くらいしゃべって、次々部屋をまわった。慣れてきたとは言っても、まだ幾分ぎこちない。それでも新館は一晩のうちにまわり終えた。次の日は旧館だある。私が恋をした、いもたにさんの部屋へ行ってみた。この部屋のメンバーは濃いキャラばかり揃っていて、話が面白い。結構長居をした。部屋の作りは新館とはまったく違う。作り付けの勉強机も棚もなく、古ぼけた座り机が4つある。ただ、その机を移動できるから、部屋の模様替えができるので、それはそれで都合が良いかもしれない。壁にはしみやらカビがはえていて、畳は真っ茶色で、さすが旧館である。とりあえずこれで全部屋まわり終えた。部屋に戻ると11時を過ぎていて、きしどとうみちゃんは寝ていた。この頃はまだ12時前に就寝していたのだ。しかし後にその日のうちにベッドになど入れなくなる日々が訪れることになる。たっぷり眠れるのも今のうちだと言うことを知らなかった。
< 21 / 162 >

この作品をシェア

pagetop