看護学校へ行こう
 で、たすけの提案だが、みんな大賛成した。彼氏がいる人は土日はお泊まりタイムなので行かないが、クラスの三分の二くらいは行くことになった。ただし行くからには徹夜覚悟だ。あくまで「実家へ帰宅」の名目で外泊届けを出すしかない。みんなまだ未成年なので、馬鹿正直に「飲みに行く」などとは書けない。しかもあくまで「実家に帰宅」の外泊だから、朝の6時に正面玄関があくまで、寮には戻れない。夜中に寮に戻ればそれは門限破りとみなされてしまううえ、飲酒がばれてしまう。そうなると停学か退学だ。だが、みんなは乗り気で、徹夜覚悟の飲み会を決行することにした。

 きたる土曜日、夕方5時にみんなでお洒落して、ぞろぞろと、とあるカラオケパブに行った。そこは中央が空間になっていて、ダンスタイムに踊れるようになっていた。開店直後だから、まだ客は私たちしかいない。私はパブに行くのはこれが初めてで、

「みんな、まず飲み物頼もうよ!」

のかけ声に、メニューとにらめっこしていた。他の子達も、飲み屋に来たのは初めてという子が多かった。みんなまだ、18歳か19歳だ。高校卒業したてである。お酒は寮でビールを一缶飲めば、もう酔っぱらう年代だった。

「ねえ、カクテルって甘いのかなあ。」

「スクリュードライバーって、オレンジ味だって書いてあるよ。」

など、酒一つ注文するのにも、時間がかかる。私は迷ったあげく、テキーラサンライズというのを頼むことにした。
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