看護学校へ行こう
変態男はというと、相変わらずうろうろしていた。私たちは怒っていたので、

「今度会ったら、みんなで捕まえよう。」

と画策していた。

 ある土曜日、一年生の寮生が、外泊しないで結構寮に残っていた。で、みんなで集まっておしゃべりをしたり、洗濯してゆったり過ごしていたところ、誰かが、

「あの男が寮の外をうろうろしているよ!」

と発見した。すぐにみんな集まり、10人くらいでその場へ急行し、変態男を問い詰めた。

「あんた、かなり派手に痴漢やってるでしょ!」

と正義感の強いうーちゃんが言った。変態男は、

「何もしてないっすよ。」

と答える。

「夕べもこの辺うろうろしてたでしょ!ちゃんとわかってるんだよ!警察に届けてあるんだから!」

とまくしたてたら、変態男は、

「夜は・・・夜は弟ですよ。」

と言って、走って逃げていった。それきり変態男は現れなくなった。しかし言い訳が「夜は弟」と言っている時点で、昼間はあんたかいである。そもそも弟な訳はない。間抜けな変態野郎だった。
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