看護学校へ行こう
寮でのブーム
 夏休みが終わり、寮に戻った。嬉しい。また楽しい毎日が始まる。寮に入って良かった。たぶん寮に入らず家にいたら、世間知らずも甚だしかっただろう。幼い頃から体が弱くてあまり友達と遊んだことのなかった私には、寮生活は新鮮で、ただただ楽しかった。

 相変わらず学校では技術演習と、解剖学や生理学の授業が並行して行われていった。この頃から寮の友達の間に「市民体育館に行く」というのが流行った。体育館にバレーボールをしにいくのである。バレーといっても円形バレーだ。みんな学校ジャージに着替えて「特訓だ」などと言って、走って体育館まで行った。ちなみにだいたい走って20分くらいのところだ。ドクターの授業など、緊急時休講になることが多いから、早く学校が終わる。そしたら4時くらいから市民体育館に行く。そしてびっちり円形バレーを8時半くらいまでやる。一時期みんなはまって、毎日行っていた。さすがに10代なだけあって、体力がある。さらに寮には「学習室」なるものがあって、教室を二つ分足したくらいの広さの場所があった。いわゆる多目的ルームである。ここになぜか卓球台があった。それで一年生の間で「卓球ブーム」が始まる。高校の頃卓球部にいたいもたにさんと、すっぽんに、卓球の基礎を教えてもらい、やってみた。思いの外面白い。卓球が流行出すと、バレーボールには行かなくなり、毎日卓球に興じ始めた。
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