看護学校へ行こう
私は卓球用のラケットを買った。なんか、マイラケットが欲しかったのである。毎夜卓球の試合をしては盛り上がっていたので、二、三年生から

「うるさい、時間を考えてちょうだい!」

と何度もおしかりを受けた。一応

「すいませ~ん。」

と謝るが、また続ける。もう私たちは、先輩の扱いに慣れてしまったのである。その後月曜日のお部屋討議で、卓球による夜間の騒音問題が浮上する。それで卓球をして良いのは夜10時までと規則ができた。確かに夜中の12時頃まで卓球で盛り上がっていたから、勉強している先輩や、寝ている人には迷惑だろう。私たちはガキだったから、その辺の節度が守れなかった。だが卓球ブームも一時的なもので、すぐに終わってしまった。

 寮には茶道室がある。狭い寮に、なぜわざわざ茶道室などつくったのか。ちなみに学校では一応部活があって、茶道部と華道部がある。華道部はなぜか通生全員入るのが伝統らしい。茶道部は寮生の中から何人か勧誘された。私はたいして興味もなかったが、先輩から強引に誘われ、茶道部に入ってしまった。2週間に1度なのだが、そもそも興味が無く、2時間ばかり正座してなきゃならないので、苦痛であった。ちなみに「表千家」である。先生は、5階病棟の婦長さんだ。口数の少ない、どんよりした印象の人だった。
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