看護学校へ行こう
また、まやちゃんは4人兄弟の末っ子で、一番上のおにいさんは北大を出た秀才で、物理の教師をしているそうだ。お姉さんも有名女子大を出ている。そして次男のおにいさんとまやちゃんが性格が似ているそうだ。この次男のおにいさん、「マヨネーズの早飲み大会」なるものに参加して、優勝したという輝かしい栄冠を手にしているそうだ。マヨネーズの普通サイズまるまる一本、飲むのである。ちなみに参加者は二人だったそうだ。で、みごと全部飲み干して栄冠の座を勝ち取った。対戦相手は飲みきれず、棄権したとのこと。で、周囲がはやしたてたので、勢いで相手が飲みきれなかったマヨネーズまで飲み干して、拍手喝采をあびた。だがその夜からしばらく体調が大変なことになったらしい。

 あるとき教室で私とまやちゃんは隣同士の席になった。授業中まやちゃんは必死にノートをとっている。お、どうしたんだまやちゃん、いつになく真剣に勉強しているじゃないかと思ってまやちゃんのノートを覗いたら、「シャンプー、リンス、卵、食パン、ジャム、牛乳・・・」と日用品を箇条書きにしていた。それで10品目くらい書いたかと思うと、しばし手は止まり、リンス、卵などに線を引いて削除している。授業が終わって私は、

「何してたの?」

と聞いた。まやちゃんは、

「もう千円くらいしかお金が残っていない。」

と言う。次の振り込みまで10日以上ある。それで優先順位から必要最低限のものに絞り、リンスや卵は削除していたようだ。だが結局実家に電話して、金の無心をしていた。
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