看護学校へ行こう
3回目のテストが始まった。今度は「体位変換」だった。患者さんの体を横に向けたり、ベッドの上にずらしたりして、体位を整える。これは先生がいちいち
「体を右側臥位にしてください。」
など指示が入る。私はなんとしても受かりたかったので、やれることはすべてやろうと思った。それで
「始めてください。」
の合図と共に、私は自分の手をお腹のところでゴシゴシこすりだしたのである。きょとんとしている先生を尻目に、私は精一杯笑顔と敬語で患者さん役の子に話しかけながら、体を動かしていく。このとき患者さん役の子はかえでだったが、彼女、私が体を動かそうとするとき、自ら力を入れて、向きを変える負担を減らしてくれた。とりあえず途中でストップはかからず、最後までテストを終えることができた。終了後先生から、
「どうして手をこすったの?」
と聞かれた。私は、
「患者さんに冷たい手で触れて、不快な思いをさせないよう、手を温めたんです。」
と自信をもって言った。しかし実際に現場のナースはそんなことはしない。だがとりあえず「患者さんの為」という思いが少しは評価されたのか、かえでの協力のおかげか、私は3回目にしてようやく合格した。
結局全員、3回目には合格した。これで無罪放免だ。なかなか過酷な技術テストであった。
「体を右側臥位にしてください。」
など指示が入る。私はなんとしても受かりたかったので、やれることはすべてやろうと思った。それで
「始めてください。」
の合図と共に、私は自分の手をお腹のところでゴシゴシこすりだしたのである。きょとんとしている先生を尻目に、私は精一杯笑顔と敬語で患者さん役の子に話しかけながら、体を動かしていく。このとき患者さん役の子はかえでだったが、彼女、私が体を動かそうとするとき、自ら力を入れて、向きを変える負担を減らしてくれた。とりあえず途中でストップはかからず、最後までテストを終えることができた。終了後先生から、
「どうして手をこすったの?」
と聞かれた。私は、
「患者さんに冷たい手で触れて、不快な思いをさせないよう、手を温めたんです。」
と自信をもって言った。しかし実際に現場のナースはそんなことはしない。だがとりあえず「患者さんの為」という思いが少しは評価されたのか、かえでの協力のおかげか、私は3回目にしてようやく合格した。
結局全員、3回目には合格した。これで無罪放免だ。なかなか過酷な技術テストであった。